【こだわり旅物語】パラグアイ 水の国ならではの観光
南米大陸中心部のパラグアイは“水”の国だ。国を東西に分断するパラグアイ川や、ブラジルとの国境を流れるパラナ川など、豊かな水資源は多様な生態系を生みだし、水力発電などの科学技術の発展にも貢献している。観光地として人気を集める世界最大級のイタイプ水力発電所や、国の歴史を肌で感じることができるユネスコの世界文化遺産、トリニダード遺跡などを訪ねた。(藤原翔)
◆最大級の水力発電所
パラグアイ首都のアスンシオンから東に約350キロ。ブラジルと国境を接するまち、シウダデルエステに到着した。近くにあるイタイプ水力発電所は、パラグアイとブラジルの共同建設で1991年に完工。最大落差約95メートル、全長約8キロで発電出力世界第2位の1260万キロワットを誇る。この発電所だけでパラグアイの電力の約80%をまかなっているという。
両国どちらからでも水力発電所の見学ツアーに参加することができる。パラグアイ側のツアーでは建設過程の映像を鑑賞した後、専用バスで展望台に向かい、壮大な施設の全貌を見渡すことが可能。予約制で発電所内部を見学できる特別ツアーも用意されている。夜にはライトアップも実施しており、真っ暗なダムが一気に白い光で照らし出されると、集まった観光客からは歓声がわき起こっていた。
案内スタッフのマルセロ・アントニオ・サムビさん(24)は「国民の生活を支えている誇らしい施設。もっと世界にアピールしていきたい」と話す。
◆民間運営で新名所に
ブラジルとの国境近くにあるモンダウの滝も、パラグアイ東部に足を運んだ際には立ち寄りたい観光スポット。高さ約40メートルの滝から降り注ぎ続ける水の迫力は圧巻だ。これまで隣国のブラジルとアルゼンチンとの国境にあるイグアスの滝と比べ、国際的な知名度は低かったが、民間企業が運営に参画。2011年から開発を進めており、滝の下部に降りるためのエレベーターやレストラン、ホテルなどの建設が予定されている。今後、新たな観光地として注目を集めそうだ。
◆夜も映える世界遺産
シウダデルエステから約300キロ南進すると、同国唯一の世界遺産、トリニダード遺跡(トリニダー・デ・パラナ)が広がる。先住民のグアラニー族が生活していた集落で、17世紀から18世紀にかけて、イエズス会がキリスト教の布教活動にあたった地域だ。れんが造りの住居や大教会、学校の跡地などが残っている。国を支配していたスペイン国王が1767年にイエズス会を追放して以降、集落は荒廃の一途をたどったが、近年、政府が修復作業に力を入れ、1993年に世界遺産に登録された。夜間にはライトに照らし出された遺跡群が昼間とは違った幽玄な光景を生み出し、それも人気を集めている。
パラグアイ政府観光局のロサーナ・バルバレスさん(27)は「多様な食文化だけでなく、文化、科学技術などに力を入れるパラグアイに日本人もどんどん足を運んでほしい」と話している。
【パラグアイへのアクセス】 関西国際空港と成田空港からドーハ(カタール)経由でサンパウロ(ブラジル)まで毎日運行しているカタール航空。日本から直行便のないアスンシオン(パラグアイ)までの交通手段として便利だ。ビジネスクラスは座席を倒すと全長2メートルのベッドになる。また、各席に設置されたモニターでは1000チャンネル以上の番組を楽しめる。日本路線では日本人スタッフも搭乗する。【関連記事】 中国・大連 満鉄「あじあ号」を牽引した“新幹線のモデル” 海にもあった“LCC” 低価格でゴージャス「クルーズ」 ノルウェーの最高傑作「フロム鉄道」に乗った!歓声が上がった瞬間… 【写真劇場】タイガ-生命の森へ- モノトーンの雪景色に野生の鼓動 レトロポップ!銀座線“復刻カラー”がお出迎え 民主党の轍を踏むな
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